陶芸は基本が大事
陶芸では、「土練り3年、ロクロ6年」ということわざがありますが、プロの陶芸家や職人を目指すことは、容易ではありません。
たとえシニアのアマチュア陶芸家を目指すのでも、基礎技術を身に付けるには、一定の時間が必要です。
菊練り、ロクロの扱い、釉がけなど陶芸にはマスターしなければならない工程が多々あります。
まずは教え方の上手い先生から基本を徹底的に教えてもらうことです。
それを頭でなくからだで覚えるしかありません。ただ何となく習っているだけでは、なかなか上達しません。
教わったコツをノートにメモし、自宅でYouTubeなどで確認し復習すると上達が速くなります。
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ただ陶芸教室に通うのは、時間の無駄
そもそも陶芸教室は、陶土を使った造形の基本をマスターさせることを目的としています。
手びねりから電動ろくろの使い方、絵付け、釉薬のかけ方などを一通り習得できます。
ただ同じことを繰り返しているうちに、だんだん陶芸教室では物足りなくなってくるはずです。
電動ろくろも最初は面白いですが、慣れてくるとあまり楽しく感じられなくなってきます。
せっかく陶芸を始めた訳ですから、ありきたりのうつわではなく自分独自のやきものを作った方が面白いです。
基本は陶芸教室で、作風は陶芸家から学ぶ
そんな時は教室をやめ、自分が目指す作風の陶芸家を訪ねてみることをおすすめします。
自身の陶房を教室として開放している陶芸家は多くいます。
やきものの産地で受け入れる陶芸家は少ないですが、都市や近郊で陶房を構える陶芸家は生徒を受け入れるケースが多いです。
陶芸教室と違い、好きな時間に個別に教えてくれるので、基礎が身についた人には向いています。
陶芸家の作風を真似てみる
幅広く陶芸教室で基礎を学んだあと、今度はその技術の中から自分が得意な技術、手法を選択し深く掘り下げる時期です。
そうでないと、いつまでも陶芸教室に飾ってあるような皿、コーヒーカップ、マグカップなどの素人陶芸の域を脱することはできません。
せっかくやきものを作るのですから、プロと見間違えられるような作品をつくろうではありませんか。
そのためにも、まず気に入った陶芸家の作風を真似てみてください。
陶芸家がつくる工程を生で見ながら、勉強するのです。
同じ土や釉薬、窯を使わせてもらうと、どうしたら陶芸家がつくるようなやきものができあがるのかが分かってきます。
自分独自の作風をつくる
その次は、真似から脱却し、個性を出すときです。
自分が教えてもらっている陶芸家と同じ土、釉薬を使っても同じものはできません。
おのずから、自分がつくりたいもの、得意な技法、好きな焼き方が分かってきます。
そしたら、今度は自分独自の作風を磨いてください。
きっと玄人はだしの作品ができ、まわりの人から驚かれるでしょう。
「基本をからだで覚える」と「自分の作風をつくる」のまとめ
やはり陶芸は基礎が大事です。避けては通れない基本技術なら、効率よく習いたいものです。
そのためには、陶芸教室にただ通うのではなく、課題を決め、集中して学んでください。
なるべく早く陶芸教室で基礎を習得し、その後は陶芸家からプロ並みに作風を学んでください。
せっかく陶芸をやるのでしたら、プロの陶芸家がつくるようなうつわをつくってみましょう。
自分の気に入った陶芸家を探し、その作風を真似てみてください。それが一番勉強になります。
そして試行錯誤、暗中模索するなかで、自分独自の作風をつくりあげてください。
文:小暮貢朗
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