【シニアの陶芸入門】信楽焼の穴窯を東京で体験できる陶房を紹介

旅を楽しむ
この記事は約7分で読めます。

無量庵陶房の穴窯・自在窯の中

東京で穴窯体験ができるおススメの陶房

NHK連続テレビ小説「スカーレット」をご覧になり、やきものにご興味を持った方はいらっしゃいますか?

やきものの土に触れると心がリラックスし、健康にも良いことをご存知ですか。

陶芸教室に通うのもよいですが、本当のスカーレットの世界を体験するには、穴窯がおススメです。

でも、プロの陶芸家も含め、一般的に使われているのは電気窯とガス窯です。

「スカーレット」で使われている穴窯を持っている陶芸家は、ほとんどいません。

私自身、滋賀県にある信楽焼の窯元を何度か訪ねるうちに、信楽の緋色に魅せられました。

自宅のある東京で信楽焼を焼ける穴窯はないか探し、やっと見つけることができました。

東京都下で数少ない穴窯を持ち、みずから信楽焼などを作陶しているプロの陶芸家、お二人をご紹介します。

お二人の陶房は、ともに事前に連絡のうえ、見学や陶芸体験ができます。

【50代からの陶芸入門】シニアの穴窯体験~信楽焼に魅せられて
NHKの連ドラ「スカーレット」で、やきものにご興味を持った方はいらっしゃいますか? 柔らかい陶土が熱を加えると、硬く焼き締まり、まったく別のものに変化するのが不思議です。電動ろくろで成型し、電気窯で焼成する陶芸に飽きたときに出会ったのが、緋色が入った信楽焼でした。

滋賀県甲賀市信楽の楽斎窯を訪問

「スカーレット」は人名ではなく、「緋(ひ)色」のこと

NHKの連続テレビ小説、「スカーレット」は、滋賀県信楽を舞台に、女性陶芸家「川原喜美子」の半生を描いたドラマです。

「緋(ひ)色」は、炎の色とも云われ、黄色味のある鮮やかな赤です。

緋はまた火に通じ、やきものにとって理想の色のひとつです。

つまり、スカーレットというタイトルは、やきものの理想の色と、主人公・喜美子の人生を表す二重の意味が込められているようです。

テレビで「スカーレット」をご覧になり、緋色の信楽焼に興味を持たれる方が、多くなりそうですね。

信楽焼の穴窯体験~東京で窯焚きの様子をYouTubeで紹介
東京都八王子市川口在住の陶芸家・船越保さん所有の穴窯(自在窯)で、船越さん主宰の薪窯塾の仲間が、年2回窯焚きをしています。NHKの連ドラ『スカーレット』の主人公と同じく、信楽焼を焼いています。私も信楽焼の持つ緋色の肌合い、緑のビードロ釉、渋く深い灰被りの青や紫の焦げに魅了された一人です。信楽焼は「炎の芸術」です。

陶芸家・船越保さんの作品

無量庵陶房(陶芸家・船越保さん)の紹介

陶芸家・船越保さんとは

自然釉にこだわり、釉薬を使わずに穴窯で信楽焼(焼き締め)を作陶している、一人目の陶芸家をご紹介します。

東京都八王子市川口で作陶している、陶芸家の船越保さんです。

船越さんは、信楽焼を中心に自然をそのままくりぬいたような造形美を追求しています。

自然を愛し、自然と対話しながら、自己主張せず、周囲と調和するうつわづくりを目指しています。

また、薪窯焼成にこだわり、電気窯やガス窯一切使わず、手間のかかる穴窯で焼成しています。

穴窯は焼き上げるのに何日もかかり、手間と経費がバカにならない焼成方法です。

それでも船越さんは、効率的ではないが、偶然の美を演出できる焼き締めにこだわっています

炎が直接、土肌に当たり、薪の灰が降りかかって自然釉となり、予想外の効果が生まれます。

いにしえの茶人はそれを「景色」と呼び、「わび・さび」として評価しました。

船越保さんの陶芸家としての詳細は、私のインタビュー記事でご覧ください。

プロの陶芸家にインタビュー~陶芸家 船越保さん【陶芸を語る】
自然と対話し、自然をそのままくりぬいたような造形美を追求する孤高の陶芸家船越保(ふなこし たもつ)さんが作るうつわの特徴の一つが、その流れるような造形美にある。ながく工業デザイナーとして活躍した経験から、自然に身に着いたものと思われる。作品

東京都八王子市の陶芸家・船越保さん

FacebookとInstagramで陶芸作品をアップ、更新中

船越さんは、おもに花入れを中心に作陶しており、作品を常時Facebookやインスタグラムにアップし、更新しています。

彼の信楽焼の作品をご覧になりたい方は、下記アドレスをご覧ください。

Facebook https://www.facebook.com/pages/無量庵陶房/333807703368862

Facebook  https://www.facebook.com/tamotsu.funakoshi.90

Instagram https://www.instagram.com/jizaigama

船越さんのFacebookとインスタグラムにアップされた作品

自在窯の見学・陶芸体験をご希望の場合

NHKの連続テレビ小説、「スカーレット」の世界を肌で感じたいという方は、事前に船越保さんへ直接、見学や陶芸体験を申し込んでください。

船越さんのお人柄から、快く引き受けてくれると思います。JR八王子駅からバスで40分です。

連絡先・場所:無量庵陶房・自在窯・薪窯塾
〒193-0801 東京都八王子市川口町3382

電話:042-654-8972(陶芸家 船越保)

シニアの陶芸の楽しみ方
シニアの陶芸の楽しみ方を、自身の体験から具体的にご紹介します。私の場合、50歳で単身赴任の名古屋で陶芸を始めました。陶土の柔らかく冷たい感触が好きで、作陶している最中は他のことはすべて忘れ、ストレス発散ができます。シニアから陶芸を始めるに際し、さほど苦労せずに、楽しく上手くなる8つのコツをご紹介します。

船越さんの作品の狛犬

柏葉窯(陶芸家・勝田友康さん)の紹介

東京都町田市の陶芸家・勝田友康さん

陶芸家・勝田友康さんとは

もう一人の陶芸家は、勝田友康さんです。

勝田さんは電気窯、ガス窯、灯油窯を以前からお持ちでしたが、2017年秋に新たに穴窯を、自らの手で築きました。

薪窯による焼成は、陶芸を志した当初よりの念願で、始めて30年目にしてようやく実現させたそうです。

彼の作品は、磁器、炻器(せっき)、陶器と多岐にわたるので、観ているだけでも楽しいです。

また陶芸家の奥様といっしょに、陶芸教室も開いています。

すべてのやきものを体験できる稀有な陶房

陶芸教室で体験できるのは、一般的には陶器作りだけです。

ところが勝田さんが主宰する「柏葉窯陶芸教室」では、陶器、炻器、磁器のすべてのやきものを作ることができます。

多種の釉薬、電気窯、ガス窯、穴窯までが揃っている陶房は東京都下ではなかなか見つけることはできません。

欲張りな体験をしたい方には、特におススメです。

教室は緑に囲まれたとってもリラックスできる空間で、「脱日常」、「遊びの世界」を堪能できます。

勝田友康さんの陶芸家としての詳細は、私のインタビュー記事でご覧ください。

プロの陶芸家にインタビュー~陶芸家 勝田友康さん【陶芸を語る】
自然を師とする絶対表現の美を追求する総合芸術家勝田友康(かつた ともやす)さんを単なる陶芸家として見るのは適切でないかもしれない。彼の作品が磁器、炻器、陶器と多岐にわたるだけでなく、その求めるテーマが陶芸美を超えた「絶対美の追求」にあるから

自作の穴窯で、赤松の薪で窯焚き中の勝田さん

柏葉窯の見学・陶芸体験をご希望の場合

事前に勝田友康さんへ、見学や陶芸体験を申し込んでください。

勝田さんと奥様のお人柄から、快く引き受けてくれると思います。

京王相模原線多摩センター駅からバスで20分です。

場所・連絡先:柏葉窯(はくようがま)
〒195-0064 東京都町田市小野路町4040-1
電話:042-708-8619(代表 勝田友康)
mail:hakuyou@ra2.so-net.ne.jp
陶芸教室 http://www012.upp.so-net.ne.jp/hakuyou/

陶芸家・勝田友康さんの作品

【趣味で始める陶芸入門】自宅で陶芸~揃えておきたい6つのアイテム
陶芸教室に通うのがオススメですが、近くに陶芸教室がなかったり、時間が合わない場合、自宅で陶芸をするのもひとつの手です。その場合、道具を一通り揃えなければなりません。必要な道具は、手回しろくろ、陶芸スターターキット、陶芸用の土、木の板、釉薬、窯の6つです。どの程度自宅で作業するか考え、必要に応じて買い揃えてください。

半地下式穴窯の柏葉窯

文:小暮貢朗